ドイツの大学進学に必要なDSHという資格について

ドイツの大学進学に必要なDSHという資格について

DSH=D
eutsche
Sprachprüfung für den Hochschulzugang

DSHというのは、ドイツの大学進学に必要なドイツ語能力証明です。
英語に例えれば、TOEFLやIELTSのドイツ語版のようなものです。

<DSHの特徴>
・ドイツの各大学でそれぞれ異なった出題、ただし、どの大学で受けたDSHでもドイツ全土で認められます。
TOEFLやIELTSのように、同じ試験で、得点によってレベル1~3までの3段階に分けられ、3が一番高いです。
どのレベルが必要かは、専攻によって異なる。通常は2が合格ラインですが、1は音楽や芸術などドイツ語をさほどひつようとしない学部で認められるケースがあります。一方で医学部や法学部の場合は最高の3を合格ラインとしている大学が多いです。
・各大学で年に2度ほど受験ができます。*大学によって回数は異なります。
(1月と7月、9月頃が多いです。)大学別の試験日程はこちら
・各大学でDSHの準備コースを設けていて、中級レベルがあれば1年くらいでDSH2は受かる方がほとんどです。DSH3を目指すなら、もう少し長く勉強しておいたほうが良いです

・試験の合格ラインは下記の通りです↓

正答率 DSHの評定 TestDaFでは
57%~ 66% DSH-1 TDN3
67%~ 81% DSH-2 TDN4
82%~100% DSH-3 TDN5

<DSHの構成>
パート1 ヒアリング 60分 点数配分20%
実際に先生がマイクで2回長文を読み上げます。
それに対して回答をします。
パート2 リーディング 60分  点数配分20%
30~60行ほどの文章を読んで回答します。
パート3 文法 30分  点数配分10%
動詞を名詞化したり、名詞を動名詞化したり、します。
これに関しては、準備コースで毎日特訓するので、日本人は割と得意です。
パート4 ライティング 60分 点数配分20%
出されたテーマに沿って、200~250単語のエッセイを書きます。
パート5 口頭試験 20分 点数配分30%
*口頭試験は、準備コースの上級クラスの授業中の発言が点数になり、
免除される場合があります。

★各大学の過去問はこちらから見ることができます。

★ハイデルベルグ大学のDHS準備コースこちら

★その他、DSH準備コースがある大学とその費用の一覧はこちら

ドイツ医学部進学について

ドイツの医学部について

<日本ではなく、ドイツの大学の医学部を目指すメリット>
授業料が無料!もしくは高くても年間30万円程度
入学試験がなく、ほとんどの場合、書類審査が行われ、高校の成績やセンター試験の結果で決まる!(目安:評定平均とくに理数系は4,5~5)
複数の大学に何校でも申請ができる(ドイツの大学で医学部がある大学は35校くらいあるが、一度に複数の大学に出願できる)
④ドイツの医学部を卒業したあとの選択肢が多い
選択肢1:ドイツで医師になる
選択肢2:EU諸国で医師になる(職場がみつかりビザがおりれば可能)
選択肢3:日本で医師になる⇒帰国し、厚生労働省の許可が下りれば、国家試験を受け、合格すれば日本で医師になれる⇒詳細はこちら
選択肢4:アメリカやほかの国で医師になる⇒ドイツの学生は国外で就職する人も多い
選択肢5:アフリカの難民などを救う医師になる⇒ドイツではそういったボランティア活動をしている人も多いので、さまざまなプログラムがあり、日本より情報を得やすい

<入学審査方法>
①合格者の20%は高校や大学の成績⇒ほぼオール5が必要(高校の偏差値などは関係なし)
②もう20%はウェイティングリスト⇒そのセメスターで入学できない場合は、次回の審査に繰り越すことができる。
③残り60%は適性検査(TMS)⇒多くの大学で採用しているシステムで、成績が条件に満たない場合はこの点数でカバーできる制度。
TMSは、マークシート式で、写真や絵をみて答えるテストです。
判断力や集中力、適正を判断されます。130点満点で100点くらいとれば合格になる場合が多い。

<デメリットやリスク>
・現在ドイツの医学部はすべてドイツ語ですので、ドイツ語能力が必須!⇒ほとんどの場合、最高レベルのDSH3が必要(本気でやれば1年半~2年くらいで取得可能)
★DSHについてはこちら
・ドイツに到着した後は、2年以内に大学に入学しなくてはならない(ビザ延長の関係で)⇒なので、事前に日本でもドイツ語をある程度習得しておくほうが良い。また、医学部に落ちても次回の出願まではほかの学部(薬学部や看護学科など)に在籍しておくのがおススメです。

・卒業までの6年3カ月で国家試験が3回ありますが、国家試験は2回までしか再受験ができません。2回落ちた時点で、専攻を変えるか、他の国の医学部に転校することになります。ただ、合格率は約80%。

理想例として:
ステップ1
4月:高校卒業後、成績がオール5に近い場合すぐにドイツ語開始!国内のゲーテインスティテュートで基礎から授業を受けられる。オンラインも受講可能。
ステップ2
4月~9月:だいたい、中級のB2程度のドイツ語を半年で身に着ける。
ステップ3
7月までに大学付属のドイツ語予備校に申請する。
ステップ4
10月に渡独!ドイツ語コース開始!この時に中級レベルのクラスに入れれば、1年でDSH3取得お可能性は高い。
ステップ5
翌年の7月までに大学に申請
ステップ6
7月頃にDSH受験
 ⇒もし受からなければ1セメスター延長し、再テスト(DSHは1年に7月頃と1月頃の2回あります)
ステップ7
合格!10月から入学

<医学部で人気の大学>
ハイデルベルグ大学-
Heidelberg
・ミュンスター大学-Münster
・グリーフスヴァルド大学-Greifswald
・アーヘン大学-Aachen,
・ベルリン大学-Berlin

★ドイツ語能力試験のDSHについてはこちら

*DSHの準備コースについてはこちら